店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「問う・・・質問する」その1
「観察して、傾聴して、そして想像したときに、その想像が当たっているのかどうかを確かめたいときや、もしくは、理解出来なかったり疑問が出てきたりしたときにはどうすれば良いのですか?」
若き店長は、出来る店長のレクチャーによって、スタッフの話を聴きながら「観察」し「傾聴」しながら、相手の考え方や状況、心理などを「想像」することの大切さを学びました。
しかし、そこでふと疑問が出てきたのです。
想像したことは確認するのか?そして想像以上に疑問が出てきてしまったとき・・・さて、どうすれば良いのか?
出来る店長は答えてくれました。
「大切なのは、そこからだよね。ここまで相手の考えの発言や、考えそのものや、その背景をいろいろと想像して来たよね。でも、これはあくまでも聴き手の自分が、自分に都合良く考えてきたんだよね。だから、それが本当に相手の本音かどうかは分からないよね。でも、知りたいよね。はい、そういうときは相手に『問う』のです。『質問』すれば良いんです」
出来る店長は、さらに詳しく「問う・・・質問する」についてレクチャーを続けます。
「相手の話を聴いていると、想像だけではなく、いろいろと疑問も生じてくるよね」
「たくさん疑問がわいてきます」
「それを、素直に相手にぶつけるのさ。つまり、問いかけるんだ。それって、どういう意味ですかってね」
「え?それで良いんですか?それだけで、答えが返ってくるんですか?」
「もちろん、そんなに簡単じゃあないよ。それに、この『問い』には、罠があるんだ。それにも注意する必要がある」
出来る店長は、相手に問いかけるときに陥りがちな罠について語り始めました。
「僕たちは、相手の話を聴きながら自分なりにその意味や目的や背景を想像するよね。むろん、それをそのまま鵜呑みにしない、思い込まない、決めつけないことが大切だよね。だから相手に確認するんだけれど、その質問の目的はあくまでも相手に自分自身の考えをより具体的にはっきりさせていくことなんだ。僕たちの疑問を解消したり、想像を確認すると言う事はついでなんだよ」
「相手が先ですね。はい、心得ておきます」
「ところが、聴き手の方が『自分の考え』の確認に固執すると、その考えに誘導尋問をしてしまうことがあるんだ」
「誘導尋問・・・ですか?なんだか刑事ドラマみたいですね」
「そうなんだ。実は僕もこの罠に落ちたことがある」
「え?そうなんですか?」
「そのときは、自分のコーチに『あなたの考えが正しいのですか?』と質問されて、ハッと気がついたんだ」
スタッフの成長を願う店長が、スタッフに考えや想いを思いっきり吐き出させながら、より深く詳しく自分の考えを整理させて行くには、店長が「問いかけ」をすることがとても有効です。
その「問いかけ」により、スタッフは、自分の考えのなかのもやっとしたところを、ひとつひとつはっきりとした形にしていくのです。
出来る店長は、聴き手が行う問いかけは、スタッフ自身が自分の考えを「はっきりと具体化させるため」のお手伝いとして「深掘りする質問」をすることが一番の目的だと若き店長にレクチャーしました。
一番の目的を脇に置いて、自分の考えの正しさを確かめるための問いかけをすると、深掘りではなく聴き手側の考えの押しつけになってしまったり、誘導尋問になってしまったりするので、結局相手はモヤモヤしたままで終わってしまうと言う事なのです。
「聴き手側が、自分の考えを押しつけるとろくなことがないんだよ。たとえばね・・・」
続きはまた明日。
***************************
※「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)のAmazonサイトはこちら(でも、出来れば本屋さんで買って下さいね。どうぞ、宜しくお願い致します。)
http://www.amazon.co.jp/dp/4495530313/
※「店舗力診断」「従業員満足」「ミッションPDCA」「中小企業のブランド戦略」に関するご相談、従業員満足度調査、セミナー、研修、売上アップコンサルティングなどについては、弊社までメールかこのホームページの「お問い合わせ」「お気軽にご相談下さい」から、お問い合わせ下さい。ご連絡をお待ちしております。
※「店長ナビ・店舗力診断」専用のホームページがオープンしました。詳しくはこちら!
http://www.tenchonavi.com/
※「店長ナビ・店舗力診断webアプリ」と言う新サービスがスタートしました。詳しくはこちら!
http://tenchonavi.com/contents_124.html
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年07月03日
- 06:39
- コメント(0)
この記事へコメントする