店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「問う・・・質問する」その12
「他責ではなく、自責の念が強いスタッフもいるんです。何でもかんでも自分のせいだ・・・と言って暗くなっているんです」
他責発言の多いスタッフへの「質問」のポイントを学んだ若き店長は、今度は自責発言の多いスタッフについての質問のポイントが気になりました。
「それが、『対象軸』『原因軸』での、『自分』に当たるものだね。自己責任としてしっかりと受け止めて、自分で改善策に向かって前進している『自分』の場合は、発言がネガティブではないから、そのままじっくり聴けば良いよね。けれど、発言がネガティブになっているひとの場合は、『全部私が悪いんです』って言うよね」
「そうなんです。でも、だからどうするとは言わないんです。自分の責任にはしているんだけれど、なんだか無責任に聞こえるんです」
「面白いね。自分の責任にしているのに無責任なんて矛盾しているよね」
こういうケースには、実はとてもよく遭遇します。
自分のせいにして、自分で落ち込んで、ネガティブになっているんだけれど、改善や復活のための行動はしていないと言うケースです。
若き店長の言うように、このケースは、もちろん無責任なのです。
しかし、自分では「自分の責任」と言っていることで、無責任ではないと思っています。
これは、他責と同じです。つまり、自分のせいであることを言う事で、それ以上の責任追及から逃れようとする自己防衛反応なのです。
「このような自責発言をするスタッフには、まずは、その自責を受け止めてあげることだね。他責でも、他のシーンでも同じなんだけれど、質問をするときには、「先に否定しない」が大原則なんだ」
「まずは受け止める・・・ですね」
自責でも他責でも、その発言を否定してしまうと相手は、そこで心を閉ざしてしまいます。
今している発言に責任を問うようなことはしてはいけません。
たとえ、その発言が間違っていると思っても、気に入らなかったとしても、それを否定してしまうと、次の質問に対する答えは、必ず何かしらのアレンジが入ってしまいます。
極端な場合は、「嘘」の発言をしてしまうようになります。
そうならないようにするには、まずは受け止めるのです。
そして、このように質問をしてみましょう。
「なるほどね、〇〇さんは、自分の責任だと思っているんだね。ところで『責任』って何だい?」
『責任』と言う言葉は、その解釈に対して幅があります。
『責任』とは、「原因であることを認めるもの」というものもありますが、元々は「ミッションの成功を担うもの」であるはずです。
つまり、「出来なかったこと」ではなく「出来ること」が責任なのです。
そういう意味では、本来は「責任を認める」というのは、「この後早期に問題を解決し、目標を達成させること」が、『責任』をとることの意味なのです。
まあ、最近の世の中は「不祥事に対して責任とって辞任する」というケースを耳にすることが多いので、「責任をとる」の意味が、誤解されているように思います。
政治の世界や企業経営のレベルでは、「辞任」「解任」はあるでしょうが、サラリーマンやアルバイトの場合は、問題の大きさにも寄りますが、リカバリーをして再チャレンジをして目標を達成させることが責任なのです。
この「質問」によって、「責任」と言う言葉の意味を合わせることが出来たら、その次に「では、次はなにをするか?」で前に向かって動き始めさせれば良いのです。
ちなみに、「自分のせい」と言う言葉を使う場合は、「原因」にしか眼を向けていませんので、「本来の結果」「目標」に対して、今後自分がどう言う貢献が出来るかについて質問していきましょう。
明日は、「自分が行う行動」を問われたときに、ネガティブ発言タイプに割と多い「自信が無い」「難しい」「出来ない」と言う言葉に対する対応方法です。
ではまた明日!
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- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年07月14日
- 08:15
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