「誉めることの効果をまたひとつ発見しました！」
久しぶりに先輩であり師匠とも仰ぐ「出来る店長」の元を訪れた「若き店長」。
彼はお店に着いて出来る店長を見つけると、すぐにこんな報告をしました。
「へえ～それはすごいね。どんな発見？教えて、教えて！」
若き店長は何でも出来る店長に報告したくなるのは、出来る店長のこのような反応がうれしいからなのです。
そのため、若き店長は何かあるとすぐに出来る店長に報告をするのです。
「実はですね～誉めると言う事を続けていると『三日坊主』が治るんです」
「ほお～そうなんだ～。誉め続けると三日坊主が治るの？」
「そうなんです。先日先輩から『観る聴く問う』のレクチャーを受けてから、自店舗でスタッフ達をよく観察して、それぞれのスタッフに対して『誉めポイント』を決めたんです。そして、その同じポイントに対して毎日毎日具体的誉めたんです」
「なるほど～それはすごいね。さすがだね～その『誉めポイント』ってどうやって決めたの？」
「ありがとうございます。『誉めポイント』と言うのは、スタッフ達がそれぞれ持っている課題とそれに対する目標と同じなんです。お薦め力をアップさせたいスタッフ、笑顔が少し足りないスタッフ、忙しくなると慌てるスタッフ、各スタッフ毎に課題があり、そこを克服してレベルアップさせるという個人目標があるんです。そこが『誉めポイント』なんです」
「あ、それいいね～そこを毎日注目するんだね」
「そうなんです。で、そうやって毎日毎日、その目標である同じポイントの変化を誉め続けていると、3日を超えても4日を超えてもスタッフ達は、ずっとその目標を意識して努力や工夫をし続けるんです。最初はそれぞれのスタッフ毎にテーマが違うので、誉める私も大変でしたけど、毎日続けていると、この子はこれ、この子はあれとメモを見なくてもわかりようになるんです。まあ、あたりまえですけどね」
「なるほどね～。そうすることで、スタッフ達は店長から同じポイントについて観てもらえるし、誉めてもらえるんだね」
「そうなんです。もしも、変化が無くても、まずは努力を認めることで、彼女たちは、自分の課題をなんとかクリアーしようと一生懸命に取り組んでくれるんです」
「それが、三日坊主防止につながるんだね」
「はいそうです。１週間たっても、彼女たちはずっとそのことを口にしているんです」
「すばらしい！やるね！」
「ありがとうございます。で、実は・・・結局、三日坊主だったのはスタッフの問題ではないことにも気がつきました」
「へえ？問題はどこにあったの？」
「私です！私が、スタッフに対して、毎日そのときに思いついたこととか、目についたことを言っていたんです。なので、本人の課題や目標について私自身がしつこく関心を示していなかったんです。店長から言われなくなったら忘れちゃいますよね」
「良いところに気がついたね。いやあ～もう『観る聴く問う』は免許皆伝だね～」
「いえ、まだまだでしょ。もっとレベルアップしたいですからね」
若き店長は、２つの大切なポイントに気がつきました。
ひとつめは、「本人の課題や目標について毎日その変化を確認して誉めると三日坊主にはならずに継続できる」
ふたつめは、「部下が三日坊主になる一番の原因は上司が三日坊主になるから」
この二つのポイントに共通することは、いずれも「上司」が、キーマンであると言う事です。
若き店長は、このことに気がつき、改めて自らの襟を正したのでした。
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