「自分の現在の力と目標までとの差を把握しても、それを改善するアドバイスをもらっても、なぜその方法が良いのかってなかなか理解出来ないんですよね・・・」
若き店長は素朴な疑問をつぶやきました。
「店長がスタッフを指導するときに忘れて欲しくないのは、『なぜそれをやると良いのか?』と『それをやるとどうなるのか?』の二つを一緒に伝えることなんだ」
出来る店長は、静かに語り始めました。
「よくある指導の方法は『これじゃあダメ』『こうしなさい、ああしなさい』と言う結論だけを伝えていることが多いんだ」
「確かに・・」
「少しましになると『もっと良くなるためにはこうした方が良い』という伝え方だね」
「いいですよね」
「でも、言い方は柔らかくなっているけれど、やはり結論しか伝えていない」
「なるほど・・・」
「もちろん『なぜダメなのか』を伝えるのは良いんだ。けれど、それだけではいけない。『なぜ効果があるのか?』そして『それをやることでどんな良いことがあるのか』まで伝えなくてはならないんだ」
「なんだか面倒ですね」
「そう、面倒くさいよね。でも、優秀なスタッフを育てている店長って、全員がこのポイントを押さえているんだ。この部分を面倒くさがってやらないか、面倒くさがらずにやるかで、スタッフの成長度が何倍も違ってくるんだよ」
「僕は、その手間を惜しむからダメなのか・・・また胃が痛くなってきた・・・」
「スタッフは、自分がそれをやるとどんなに良いことがあるのかを知らされることでモチベーションが上がって行くんだ。だから、店長の話をもっと聴きたくなる。スタッフが聴きたくなっているんだから、話さない方がおかしいよね」
「はい・・そう思います」
若き店長は、出来る店長の熱い語りに思わず同意をしたのですが、同時に自分がいかに大切なポイントを面倒くさがっていたのかについても気づかされたのでした。
人を育てるのがとても大好きな人でも、「理由・根拠」と「効果・未来」について詳細に説明することを割愛してしまうことがあります。
ただ「問題点」「改善方法」だけを伝えて、無理矢理修正しようとしてしまうのです。
しかし、相手は「考える人間」です。
プログラミングされたマシンではありません。
確かに、店長の言う事をそのまま素直に受け入れて素直に実行出来るスタッフもいるでしょう。
でも、大半のスタッフはそうではありません。
多くの上司は、この説明をすることが面倒なので「素直になれ」と言います。
それは「自分勝手」です。
相手のことを考えていません。
自分が効率よく短時間で楽に部下育成をしようと考えているだけなのです。
「考える」「納得する」と言う事を軸にしているスタッフは「素直ではない」のではないのです。
「何も考えずに受け入れる」と、応用が利かなくなる可能性があるのです。
「理由」「根拠」「効果」「未来」を伝えて「考えて」「納得」することで、教えた方よりも成長する可能性があるのです。
それが「部下育成」です。
「部下育成の目的とゴール・・・自分よりも優れた部下に育てること」
忘れないでね。
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