店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「認める・・・承認する」その9
「部下による報連相と上司によるアドバイスって、面談時の『最後まで聴く』『問いかける』『黙っている』と同じことなんですね」
若き店長は、『報連相』が行われない原因が、上司による余計なアドバイスにあるというレクチャーをこのように解釈したようです。
「まあ、そう言うことだね。ちょっと整理をしよう」
出来る店長はそう言いながら、ここまでの話の流れをホワイトボードにまとめました。
まず、上司が部下の話を最後まで聴かない
すると、上司が部下から求められてもいないのにアドバイスをする
すると、ひっくり返された部下は上司を尊敬・信頼しなくなる
すると、上司を尊敬・信頼していない部下は本音を話さない
だから、上司と部下の間のコミュニケーションの溝は埋まらない
「『最後まで黙って話を聴く』『求められていないのにアドバイスをしない』と言うのは、ミーティングや面談だけの話かと思っていたんですが、結局そのことは面談だけでなく全ての仕事に関連していることだったんですね」
「そうなんだよ。上司は、決して部下との溝を広げようなんて思ってはいないんだよ。けれど、色々な不安があるし、コミュニケーションの原則やうまく行くための方法が間違っているから、一生懸命にやりながらどんどん溝を広げてしまうんだ。残念だね」
「では、ここに書かれたような状態にならないために一番心がけることって何だと思う?」
「はい、それはやはり『承認』ですよね。まず相手を受け止め、相手を認める。そして、あらかじめ相手の立場や置かれた状況、こだわりや性格、何におびえているかなどを理解しておくと、受け止めやすくなりますからね。自分本位だとすぐに防衛反応が出てしまいます」
「そう、『承認』することにこだわり、その準備をしておくことが大切だね。そうすると、もし相手が間違っていたときでも、それを相手に伝える方法にも一工夫が出来る様になるんだよ」
「へえ~。どんな工夫ですか?たしかに、黙っていたり、アドバイスをしたりしないのならば、『質問』で相手に気づかせないといけないけれど、うまく『質問』できないこともありますからね」
「それは、『フィードバック』と言う方法なんだ。」
出来る店長はそう言いながら、ホワイトボードに二つの言葉を書きました。
「I(アイ)メッセージ」
「You(ユー)メッセージ」
「アイとはI・・・つまり『自分』のこと。ユーとはYou・・・つまり『相手』のことです。このIとYouを言葉の中で意識しながら使うことがポイントになるんだ。たとえば・・・」
「僕は、君の笑顔がないことを心配している」
「僕は、君が何度も同じ注意を受けていることに困っている」
「これは、I、つまり自分を主語にしているだろ。こうすると、相手の事ではあるんだけれど、相手にとっては、話し手の方に意識が行きやすくなるんだ。自分はこう思っていると言う言い方をしているからね。すると、自分が責められているような気になりにくいんだ。上司がアドバイスや指導をすると、部下は自分が責められているように感じやすいからね。逆に、これをYou、つまり相手を主語にするとこうなるんだ」
「君には笑顔がないね」
「君は何度も同じ注意を受けているね」
「このように相手Youを主語にすると、そのままストレートにぐさっとくるだろ?上司が部下にこういう言い方をすると相手は、すぐに防御体制をとってしまうので、その後の会話に壁が出来てしまうんだ」
「僕は、相手の為にははっきりと言ってあげた方が良いと思っていました」
「なるほどね。では、もう少し詳しくこの違いを説明しよう」
続きはまた明日。
***************************
※「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)のAmazonサイトはこちら(でも、出来れば本屋さんで買って下さいね。どうぞ、宜しくお願いします。)
http://www.amazon.co.jp/dp/4495530313/
※「店舗力診断」「従業員満足」「ミッションPDCA」「中小企業のブランド戦略」に関するご相談、従業員満足度調査、セミナー、研修、売上アップコンサルティングなどについては、弊社までメールかこのホームページの「お問い合わせ」「お気軽にご相談下さい」から、お問い合わせ下さい。ご連絡をお待ちしております。
※「店長ナビ・店舗力診断」専用のホームページがオープンしました。詳しくはこちら!
http://www.tenchonavi.com/
※「店長ナビ・店舗力診断webアプリ」と言う新サービスがスタートしました。詳しくはこちら!
http://tenchonavi.com/contents_124.html
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年07月27日
- 09:17
- コメント(0)
この記事へコメントする