店長のための観る聴く問う講座:9つのスキル「誉める・・・称賛する」その4
「お互いの言葉の定義が違っていたら、『聴く』も『問う』も『誉める』も大きなずれが生じるから要注意ですね」
若き店長は、出来る店長の指摘により、「部下であるスタッフリーダーAさんの悩みの原因は、その部下であるFさんとの言葉の定義の違いかも知れない」と思うようになったのです。
出来る「良いところに気がついたね。じゃあ、今度は、僕がAさんの役をやってみるから、君はFさんの気持ちになってFさん役で僕のコーチングシミュレーションを受けてみてください」
若き「はい、ありがとうございます。宜しくお願い致します」
出来る「じゃあ、はじめるね。Fさん、今日のランチの時の自分の接客対応の出来はいかがでしたか?」
若き「はい、もちろん100点です。バッチリです!」
出来る「ほほ~100点ですか~それは素晴らしいですね。ところでFさんの100点とは今日のレベルを言うのですか?」
若き「い、いえ・・・実は、そう言うわけではありません・・・Aさんが見せてくれた見本だと、もっとレベルが高いですね。でも、私にとっては、今日の出来は100点なんです。少しでもうまく行ったら自信を持ちたいんです。私は、自分を低く評価すると思い切って仕事が出来なくなるんです。なので、自己評価を高くするようにして、自信を持って出来るように自己暗示をかけているんです」
出来る「なるほどね~。と言う事は、今日の出来は100点でOKだね。では、君が目指している次のレベルは何点なのかな?」
若き「はい、次の目標は、200点です」
出来る「お!ずいぶんハードルが上がったね!見込みはあるのかい?」
若き「はい!何が足りないかはわかっています。そこを意識して練習をします」
出来る「どんなところが足りないと思っているのかな?」
若き「はい、忙しくなってきたときに、間に合わなくなってくるので焦って笑顔が消えちゃうところです。もっと余裕を持つために、動きのスピードを上げようと思っています」
出来る「すばらしい!期待しているよ!」
いかがでしょうか?
仮に部下が心底勘違いをしているのならば、その最大の原因は「基準」をわかりやすく納得が行くように明示していない上司の責任です。
自分が基準をしっかりと教えている自信が無いから、部下が勘違いすると部下のせいにしているだけなのです。
勘違いをしているのではなく、上司と部下との「言葉の定義」の違いであるならば、上司はいち早くそこに気がついて、「定義を確認する」ことが必要なのです。
「基準や定義を合わせる」・・・これは、誉める・誉めないに関わらず、上司と部下が目標に対して事前にきちんと合意をしておくべき大切なポイントです。この大切なポイントをいい加減に扱うから、「誉めると勘違いする」と言う状態になるのです。
これでは、かわいそうなのは部下の方なのです。
上司は、部下を育てるのが仕事です。
育てるには、まず「どこまで行くのか」「どうやって行くのか」「いつまでに行くのか」という基準について合意をしておく必要があるのです。
そして、同じ言葉でもその解釈の違いを理解してきちんと合わせておくこと、これが大切です。
これらをやっておけば、たとえ20%しか出来ていなくても、その20%を認め、誉めることが出来ます。
これらをやらないから、どこまでやったら誉めることが出来るのかが、お互いにわからなくなるのです。
今回のコーチングシミュレーションと「基準合わせ」「定義合わせ」。
是非とも参考にして部下を誉めまくってくださいね。
***************************
※「『これからもあなたと働きたい』と言われる店長がしているシンプルな習慣」(同文舘出版)のAmazonサイトはこちら(でも、出来れば本屋さんで買って下さいね。どうぞ、宜しくお願いします。)
http://www.amazon.co.jp/dp/4495530313/
※「店舗力診断」「従業員満足」「ミッションPDCA」「中小企業のブランド戦略」に関するご相談、従業員満足度調査、セミナー、研修、売上アップコンサルティングなどについては、弊社までメールかこのホームページの「お問い合わせ」「お気軽にご相談下さい」から、お問い合わせ下さい。ご連絡をお待ちしております。
※「店長ナビ・店舗力診断」専用のホームページがオープンしました。詳しくはこちら!
http://www.tenchonavi.com/
※「店長ナビ・店舗力診断webアプリ」と言う新サービスがスタートしました。詳しくはこちら!
http://tenchonavi.com/contents_124.html
- author: PEOPLE&PLACE(ピープル&プレイス)
- 2015年08月01日
- 09:16
- コメント(0)
この記事へコメントする